金銀の中に、五色の光が見えた気がした。 それはきっと幻だろうと分かっていた。 全ての者の記憶が、消え、そして生まれるだろう。 彼女がいない世界。 皆が“普通に”生きる世界。 塗り替えられていく。 そこに“彼女”だけを、残して──────。