「結、先輩?」


顔を上げると、翡翠が真剣な色を宿していた。


「露李。お前は、俺達が死にそうになったときに力をくれた。お前は奪うだけじゃない、それを絶対に忘れるな」


でも、と言いかけると、結はにかっと笑ってそれを制する。


「滅亡なんてさせねーぞ!」


目を丸くして見つめていると、即座に笑顔が不服そうな表情に変わった。


「そこは『おー』だろー。お前らも!」
  

えぇ、と言いつつ皆が笑う。



「させねーぞ!」


おー、と声が響く。


決戦の時が、近づいていた。