「嫌われてねーと良いなあ……」
結が呟いた刹那。
露李の身体が青白く光りだした。
「何だ!?」
「露李ちゃんっ!!」
近づけないほど強い気が発されていた。
そして目が眩むような光が放たれ──
「出でよ、雹雷鬼!!!」
声がした。
ずっと聞きたかった声がした。
「戻ったのか!?」
光の中に呼びかけ、その中から誰かが飛び出してくる。
「結先輩っ!!」
がばりと抱きつかれ、顔がほころぶ。
この髪の色は紛れもなく露李だった。
そして彼女は隣の文月を見つけ、目を輝かせて二人まとめて抱き締める。
「文月先輩ー!!良かった戻って来られた……」
文月もその頭を撫でる。
安心感が彼等を包んでいた。
しかし。
ビリビリビリビリ、という布が裂ける音と共に、滑らかな白い肌が露になった。
パサリと落ちる音も。
自分が音の源だとまだ理解していないのか、露李が首を傾げる。
「露李ちゃん……とりあえず、離れて良いかな」
「はい?」
「早く服を着ろ─────!!」
「え、何…わぁああああ!?」
慌てて離れて布をかき集めたところで、何かがむくりと起き上がる気配がした。
「貴様ら……何をしている……?」
真っ青になった文月と結だった。


