和やかな雰囲気に包まれていると。
「伏せろお前ら─────!!!」
結の叫び声が聞こえた。
「はあ!?」
条件反射で疾風が露李を抱いて伏せ、理津が姿勢を低くしつつ紫の盾を造る。
どおおおん、と地響きがした。
何があったのか全く分からないが、その一回で事は収まったようだ。
──が。
「やめろ文月悪かったあああ!!」
「分かったって俺もそれどころじゃない──!」
何故か必死の形相で結と文月が走ってくる。
その後ろには半泣きの静。
「何で僕までこうなるんですかああ~!」
「……は?あいつら何やってんだ?」
「分からない。理津やめておけ、何となく伏せた方が良い気がするぞ」
草の陰から窺っていると、震源──水無月がやって来た。
「みいいいつけたあああ……」
空恐ろしい声で、鬼の姿に変幻してこちらに走ってくる。
その一挙一動が優雅なのは見物だが。
顔と声が怖い。
「に、にいさま……?なぜあの姿で……?」
露李も怯えて半泣きになっていたが、困惑した声をあげた。
庇うように前にいた理津が露李を振り返りその涙を視界に入れると、ゆらりと立ち上がる。
それに気づいた水無月もこちらを向いた。
「おいてめえら!!俺等レベルでかくれんぼしてんじゃねえ!!露李が怖がってんだろうがっ!!」
「これ俺等レベル、か……?」
疾風のツッコミは無視して、理津が叫ぶ。
「露李が、怖がる?」
露李に関しては聞き分けの良い水無月の動きがフリーズし、結たちも戻ってきた。
露李も立ち上がり、理津の後ろからひょこっと顔をのぞかせた。


