「どうして、そんなお顔をするの」
目をぱちぱちさせながら露李が二人に尋ねた。
「露李──」
ずっと守ってやりたいけれど、もう遅い。
本来この頃の露李と、自分たち守護者は繋がっていないのだから。
何を言うことも出来ず、二人で代わる代わる小さな姫君の頭を撫でる。
「だいじょうぶ」
唐突に、彼女が言った。
そして、笑う。強い、強い笑顔だった。
「がまんしてれば、未来で、はやてとりつに会えるんでしょう?」
「……ああ」
「だったら、がんばります。かあさまもにいさまもいるもの」
にっこりと笑った彼女に笑顔を返す。
痛かった。
この少女の笑顔を粉々にする出来事が、これから待ち受けているなどという事実が。
「ありがとう」
疾風がポツリと溢した言葉と、頭に乗った理津の手が優しくて、露李は目を細めた。


