それぞれが手をかざし、意識を海松に向ける。
五色の気が辺りを満たし、眠る彼女に降り注いだ。
「破!」
守護者が一斉に唱えると、パチンと案外間抜けな音がして、海松の瞼が震えた。
「あ、れ……ここは……?きゃ!?」
「海松ちゃん、驚かせてごめ──」
目を開けて辺りを見回し、自分の周りにぐるりと人が立っているのを目に入れると、海松は素早く臨戦体勢をとった。
懐からナイフ二本を取り出し、肩膝立ちで見上げ。
「あら?」
「悪ぃ、緊急事態なんだ。仕舞ってくれねーかそれ」
「ごめんねビックリするよね」
結と文月が揃って頭を下げると、そろそろと訝しげにナイフを仕舞う。
「何があったんですか?普通に寝たんじゃないみたいですが」
一気に意識が覚醒した海松の声はいつも通りに冴えていた。
「えーと…何から話せば良いんだろう。露李ちゃんが──」
「露李様にまた!?どこですか、私の露李様に危害を加える輩は!」
海松から剣呑な気が噴き出し、またナイフを取り出す。
「ちげーって!まあ間違ってはねーけど、今はちょっと落ち着け!」
「……私としたことが。申し訳ございません。それで、露李様はどちらに?」
海松が見回し、静が露李を示す。
「こちらに」
「へっ?」
頓狂な声も致し方ない。
水無月の腕に抱かれているのは紛れもなく露李、しかしもっと小さな露李だからだ。
「貴女が、露李様?」
「はいっ。神影 露李と申します」
まだ理解できずに海松は曖昧に笑う。


