【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

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六時間目も終わり、露李は身支度を整えた。
 

「何かほーんと、あんた謎の女だわ」


美喜が露李をまじまじと見つめてから言った。


「え、え。急にどうしたの」


初対面だというのに居心地が良いのは、この美喜の歯に衣着せぬ物言いのせいかもしれない。


露李は初めてできた女友達を見返した。


「あの人を寄せ付けない朱雀と付き合ってるわ、泣く寸前みたいな顔して戻ってくるわ、後から追ってきた朱雀は情けないくらい後悔オーラ出してるわ昼休みにはご飯食べに行くわ」


あんたは本当わかんないわ、と美喜は小さなチョコレートを露李に放った。


「ありがとう」


「そのチョコ地味に美味しいのよ……っと。露李、お迎えよ」


「え?あ、疾風に理津」


振り向くと仏頂面の朱雀が立っていた。

水鳥も教室のドアにもたれている。


「『あ』じゃねぇよ『あ』じゃ。ほら行くぞ」


露李がわたわたと美喜と朱雀たちを見比べた。

教室には美喜一人。

残して行くのには気が引けた。


「いいっていいって。その中に入ってくのも気まずいし。じゃあまた明日」


美喜がひらひらと手を振って教室を出ていこうとする。

が、水鳥の前で立ち止まった。


「…あなた、水鳥 理津!?」


水鳥は美喜を一瞥しただけで、答えない。

美喜はくるりと踵を返し、露李に囁いた。


「露李!水鳥は気に入った女の子に触れただけで妊娠させられるって噂だからあんた気をつけなさいね」


さすがの露李もこれには苦笑。