刹那。
ざわざわと木々が揺れる。
何か異様な雰囲気が森の中に漂い始めた。
「何これっ…」
鳥肌が立つような冷気。
「こんにちはー、風花姫さん?」
頭上から声が聞こえた。
「どうしてそれをっ…」
正体の知れぬそれに叫ぶ露李。
「あー、敢えて言うなら匂い?風花姫の匂い」
「だから何なのよ風花姫風花姫って!」
理不尽な状況と混乱で歯を食い縛った。
「出てきなさい!」
「出てきたところで君さ、戦えるの?」
茶化すような声が癪に触る。
見えない相手の言っていることはごもっともで、露李にはまだ力がない。
それどころか昼間では辛うじて使えるはずの術式さえも力を失ってしまうのだ。
「ま、お手合わせ願おうかな」
木からでも降りたのだろう、ガサッと地面に着地する音が聞こえた。
「どこからでも…」
向こう見ずにも叫びかけたとき。
「馬鹿かお前は!」
焦ったような、でも力強い声が露李の口を封じた。
ざわざわと木々が揺れる。
何か異様な雰囲気が森の中に漂い始めた。
「何これっ…」
鳥肌が立つような冷気。
「こんにちはー、風花姫さん?」
頭上から声が聞こえた。
「どうしてそれをっ…」
正体の知れぬそれに叫ぶ露李。
「あー、敢えて言うなら匂い?風花姫の匂い」
「だから何なのよ風花姫風花姫って!」
理不尽な状況と混乱で歯を食い縛った。
「出てきなさい!」
「出てきたところで君さ、戦えるの?」
茶化すような声が癪に触る。
見えない相手の言っていることはごもっともで、露李にはまだ力がない。
それどころか昼間では辛うじて使えるはずの術式さえも力を失ってしまうのだ。
「ま、お手合わせ願おうかな」
木からでも降りたのだろう、ガサッと地面に着地する音が聞こえた。
「どこからでも…」
向こう見ずにも叫びかけたとき。
「馬鹿かお前は!」
焦ったような、でも力強い声が露李の口を封じた。


