「まず私を取り込んで、それからどうするのかしら。学校にまで溶け込むなんて、この辺りを墓場に変える気?」
驚くほど冷たい声が露李の唇から流れ出る。
「さあね。墓場に変えたら君は喜ぶでしょうか」
鋭く睨みつけると、委員長がさっとブレザーの懐に手を入れるのが分かった。
ぎらりと光る鋭利なものが露李の顔に振り下ろされる。
ひらりと飛んで避け、委員長の背後に回った。
「笑わせないでくれるかしら。無意味に無関係な人を傷つけるのは馬鹿の所業よ。それに、私に刃を向けるなんて本当に心配だわ」
意識を集中させて、自分の気を委員長に向ける。
金銀の光がまとわりつき、彼の動きを止めた。
「私を風花姫と呼ぶのなら、これ以上の暴挙は許しません。不用意にその名を口にしないことです」
「くっ…」
「誰の指示ですか?」
答えない。
何者なのだろうと眉を寄せたそのとき───。
どくん、と波打つような感覚が全身を襲った。