「皆、神影さんつれてきた!」
五人ほどが固まっていた所に連れて来られ、にっこりと笑顔を作る。
風花姫になってからまた笑顔の技術が上がった。
「突然ごめんなさい。久しぶりでまだ学校に馴染めなくて…最近のことを教えて欲しいの」
五人が顔を見合わせ、露李に向かって大きく笑った。
「もちろん!こっちこそごめん、話しかける勇気なくて。でもミユキも前から言ってたけど、うちら神影さんと一回話したかったんだよね」
ポニーテールの彼女はミユキというらしい。
覚えていない自分も大概だな、とまた内心で苦笑。
「私って話しかけにくい?」
かなり思い切った質問だったが、彼女たちは勢いよく頷いた。
「うん、何か近寄り難いっていうか」
「近寄りがたい?」
「そー。美人だし、髪も綺麗だし。それに理津くんと朱雀と仲良いでしょ、あいつらも美形だし」
確かに二人は格好良い方だけど、と露李も相槌を打った。
「何か、雰囲気が清浄というか」
あはは分かるーと周りが賛同し、露李一人が首を傾げる。
「あと風雅先輩と大地先輩、中等部の静くんも。送り迎えみたいに一緒にいるし」
実際に送り迎えをしてもらっている分下手なことは言えない。
あははとまた誤魔化す。


