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トントンと教材を揃えてから机に置き、クラスの様子を観察する。
授業の合間の休み時間は、昼休みよりも何故か賑やかだ。
何とはなしに眺めていると、集団の女子の一人と目が合った。
曖昧に笑ってやり過ごそうかと思ったが、彼女がこちらに近づいてくる。
ああ気を遣わせちゃったかな、と少し後悔。
「神影さん」
ポニーテールの、頬にできるえくぼが印象的な生徒だ。
しかしその印象的なえくぼは今は見えず、彼女は戸惑うような顔をしている。
「ごめん、睨んでたわけじゃないの」
その戸惑いの表情に答えるとブンブンと頭を横に振る。
「あの、違うの。あたしたちが感じ悪いから……」
「感じ悪い?何で?」
純粋に聞き返してしまい、ああまた言葉がきつく聞こえるかなと内心頭を抱える。
「神影さん、留学前は鮎原さんといたけど…今はあの子いないから寂しいんだろうなと思ってはいたんだけど、その、何て話しかけたらいいか分からなくて」
「あー…」
最初こそ好奇心で近寄ってきたのだろう。
どう返したものかと露李も困って微笑む。
「良かったら…こっちで一緒に話さない?」
一瞬、一瞬だ。
露李の中に、小さな戸惑いが生じた。
今は少し不都合かもしれないな、と思ってしまった。
この子の良心を無下にすることはできないが、委員長に近づかなければいけないのも事実。
しかしここで妙に断るのも不自然だろう。
「ありがとう。助かるわ、久しぶりで困ってたの」
「ごめんね」
申し訳なさそうにそう言う彼女の善良さがちくりと露李の胸を刺した。
トントンと教材を揃えてから机に置き、クラスの様子を観察する。
授業の合間の休み時間は、昼休みよりも何故か賑やかだ。
何とはなしに眺めていると、集団の女子の一人と目が合った。
曖昧に笑ってやり過ごそうかと思ったが、彼女がこちらに近づいてくる。
ああ気を遣わせちゃったかな、と少し後悔。
「神影さん」
ポニーテールの、頬にできるえくぼが印象的な生徒だ。
しかしその印象的なえくぼは今は見えず、彼女は戸惑うような顔をしている。
「ごめん、睨んでたわけじゃないの」
その戸惑いの表情に答えるとブンブンと頭を横に振る。
「あの、違うの。あたしたちが感じ悪いから……」
「感じ悪い?何で?」
純粋に聞き返してしまい、ああまた言葉がきつく聞こえるかなと内心頭を抱える。
「神影さん、留学前は鮎原さんといたけど…今はあの子いないから寂しいんだろうなと思ってはいたんだけど、その、何て話しかけたらいいか分からなくて」
「あー…」
最初こそ好奇心で近寄ってきたのだろう。
どう返したものかと露李も困って微笑む。
「良かったら…こっちで一緒に話さない?」
一瞬、一瞬だ。
露李の中に、小さな戸惑いが生じた。
今は少し不都合かもしれないな、と思ってしまった。
この子の良心を無下にすることはできないが、委員長に近づかなければいけないのも事実。
しかしここで妙に断るのも不自然だろう。
「ありがとう。助かるわ、久しぶりで困ってたの」
「ごめんね」
申し訳なさそうにそう言う彼女の善良さがちくりと露李の胸を刺した。


