「お前は相当なことじゃねーと怖がらない!ちっせーことで泣くタマでもねーだろ!」
結が宣言し、露李が首を傾げる。
「褒めてるんですかそれ」
「あはは、褒めてる褒めてる。補足で言うと、自分が感じたことを疑うなってことだよ」
何がそんなに面白いのか露李には全く分からないが、ともかくも結は励ましてくれたらしい。
「ありがとうございます……?」
おう、と返事があり、顔が綻ぶ。
そしてまた結と文月が真面目な顔に戻った。
「疾風も理津も変な気とかは感じないの?」
「いえ、俺は全く。違和感はありますが」
「俺もねぇけど」
「露李はどうなんだ」
「私も…力を解放したら微細なところまで分かるかもしれないですけど」
「その必要はないかな。とりあえず様子見だね」
「そうだな。疾風と理津、お前らその委員長とやらに接触できんのか?」
結の問いに二人ともが困った顔をした。
言わんとしていることは分かる。
友人の系統が違うために、急に近づくと不自然なのだ。
万一委員長が敵であった場合に刺激してしまうかもしれない。
「そっかあ、無理があるか。それじゃ…露李ちゃんは?」
「何言ってるんですか先輩!」
露李を除く後輩組から驚きの声があがる。
「私ですか?今は美喜も居ないですし今のところ無所属なので出来ないことはないと思いますけど」
「そうか。じゃあ様子を見るくらいで良いから接触できるか?」
「待てよ結。さすがに姫が近づくのはまずいだろ」
「先輩をつけろっての!…露李は弱くない。俺たちが来る時間は稼げるはずだ」
「でも!」
「やれるな、露李?」
結と文月が露李に強い視線を投げかけた。
──そう、私はこの目が。
欲しかったのだと思った。
「やります」
こうして、危険な計画が始まった。


