「おはようございます!」
三人を従えて部屋に入る。
既に先輩組とは席につき、静と海松は食事の準備をしていた。
ほのかな出汁の香りがふわりとして、自然と露李の頬が緩む。
「おはよう、露李ちゃん」
「おう!元気か!」
「おはようございます、先輩」
箸を並べながら結がにかっと笑う。
文月は隣で何か手紙を読んでいるようだ。
「おはようございます、露李さん」
「おはよう海松ちゃん。美味しそうな香り!今日のご飯は何?」
「お腹に優しいお粥です。皆さんこのところはお疲れですから」
海松が優しくほほえみ、露李も笑い返す。
正統派美少女の笑みは癒しだ、と心の中でガッツポーズだ。
「いつもありがとう」
「いえ、これが私の仕事ですから」
和やかな空気に満たされた気分でいると、箸を並べ終わった結が声を上げる。
「そこの女子二人は俺らにもそういう顔してくれたら良いんだけどなー!」
「うるさいよ結。早く海松ちゃんを手伝いなよ」
素早く言う文月の言葉にむすっとする結。
「何だよお前手紙読んでるだけじゃねーか」
「これも立派な仕事だし。総会ムチャクチャになったから、父さんたちが謝罪文と報告をまとめてくれてる」
「何が書かれてるんですか?」
腰を下ろしながら露李が尋ねた。
守護家の報告を聞きそびれてしまっていた。
「いや、特には何もないよ。全く平和で気楽で良いことだね」
爽やかに嫌味を言ってのける文月の才能は誰譲りなのか。
「露李に関することは」
横から水無月が口を挟む。
文月が少し首を傾げた。
「姫については謝罪とかばっかりかな」
「違う。それではない」
即答した水無月にまた文月は首を傾げて不思議そうな顔をする。


