そんなことを思いつつ、外を眺める。
真っ白な雪が降り積もった庭。
松の木が怪物のように枝を茂らせている。
ほう、と息をつくなり吐息が靄に変わる。
ぶるっと身体が震えて、慌てて障子を閉めた。
冷えてしまった。
外に出るのは少し怖い。
いつも何かに追われているように感じていたからだ。
でも、と思い直して露李は自分の胸に手を置く。
───そこに、いるのよね。雹雷鬼。
幾度も自分を助けてくれた雹雷鬼。
自分は忌み嫌うことしかできなかったことに申し訳ない気持ちが溢れる。
心の中で問いかけると、ぽっと胸が温かくなった。
「ありがとう」
口に出して、伝える。
嬉しくなって頬を緩めると、襖の外から露李を呼ぶ声が聞こえた。
「はい?」
「俺だ。準備はできたのか?」
「姫、俺が着替えさせてやろうか」
声と話し方で疾風と理津だと分かる。
「おい貴様ら、露李を急かすな。殺すぞ」
物騒な物言いは水無月。
これではいけないと思い、スタンと襖を開けて部屋を出た。
「俺だ俺だって、オレオレ詐欺ですかあんたらは!……あと、氷紀はすぐに怖いこと言うのやめて」
「ごめん露李気を付ける」
「改心はえーな。そんなんだから信用されないんじゃねぇ?」
理津の一言に水無月の表情が固まる。
「え、え。露李、俺のこと信用してないの?」
「してるに決まってます。理津、変なこと言わないで」
「理津、やめとけ。しまいにお前、本当に殺されたら洒落にならないからな」
疾風が呆れ顔でたしなめ、一行は朝食へ向かった。


