小さくなっていく秋雨たちの姿を眺めながら、視線を変えずに疾風が口を開いた。
「露李」
何、と小さく返事が返ってくる。
「お前が…どう思ってるかは分からないが。俺は、俺達は、絶対にお前から離れたりしない」
「え…?」
「そうだぞ露李!お前の守護者だからな!」
続けて結が彼女の頭をぽんと撫でる。
「また一人でどっか行くんじゃねぇぞ」
露李の左に立った理津がニヤリと笑い、静が激しく頷いた。
「露李様、私は貴女の味方ですわ」
海松もふわりと笑う。
「ありがとう」
ポツリと落とした言葉が震えていた。
その様子を眺めながら、水無月がちらりと文月を見やる。
さきほどから黙りこくったままだったのだ。
「──大地。貴様らしくないな」
低い声で問われ、しばらくしてから文月が声のした方に顔を向ける。
「水無月にらしくないなんて言われるとはね」
「何か不満か」
「いや?そうじゃなくてさ…どうして、露李ちゃんだけいつもこんな目に遭うのかなと思ってね」
互いに口を閉ざす。
「“神”が、露李を望んでいるからなのだろうな」
水無月の口から出た言葉に、はは、と文月は乾いた笑い声をあげた。
「そっちこそらしくないんじゃない?水無月なら意地でも露李ちゃんを取り返しに行きそうなもんだけど」
「かもしれないな。この俺でも、“神”に立ち向かうには不確定要素が多すぎる。だが、大地」
「なに?」
「必ず、あの子を守るぞ」
文月は目を細め、分かってるよ、とため息をついた。


