【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

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「風上市から来ました、神影 露李です。どうぞよろしくお願いします」


教卓の前で頭を下げ、教室を見回すと窓際の席に朱雀の姿を見つけた。

同じクラスのようだ。

まだ友達とは言いきれない仲であっても、多少見慣れた知り合いがいるだけで気持ちが軽くなる。

朱雀から二つ右に机を挟んだところが露李の席だ。

鞄を置いて椅子に腰かける。

まだ着なれない制服が居心地の悪さを体現している。

担任が出て行った。

一時間目は数学だ。

数学教師が来るまで少しまだ時間がある。

当然のことながら友達は皆無なので、頬杖をついて窓の外へ意識を飛ばした。


「神影さん」


「…え?」


突然声をかけられて少し声が裏返る。


「何警戒してるの?」


黒髪の目元がきつい感じの女子だ。