「それ、どういう─」
「…春月は鬼の有力家、四鬼のうちの一つ。それが有明様の家だ。霧氷様は朱雀家の守護者。加えて両家は仲が良かった、だから婚姻を結んだのだ」
よくあることだ、と秋雨は言う。
珍しく饒舌な彼に少し驚きながらも説明を聞く。
「鬼の血を絶やさないため、友好関係のため。血の繋がりを大切にする所は、人間でもそう変わりはないが、四鬼と守護者の関係は深い」
「じゃあ花姫は、」
「…あいつは、夏焼の家の者だ」
秋雨は有明をじっと見つめ、静かに話す。
「だが、霧氷様が惚れたのは有明様ではなく花姫だった」
静寂が、そこに広がる。


