「結先輩」
前に立つ結の後ろ姿に、露李は願いをかける。
「ん、何だー?」
澄んだ翡翠の瞳がくるんとこちらを向く。
心がぽっと温かくなった。
─良かった、綺麗なままだ。
「先輩、約束しましょう」
優しく見つめられ、きゅうっと締め付けられる心臓に少し戸惑った。
しかし、自分の霊力がどんどん消耗していっていることが解りやすく伝わってくるのを感じ、気を取り直す。
「結先輩に何でも言ってみろ」
「“何があっても”、勝って下さい。勝ちましょう。絶対です」
「お前、何を──」
「約束ですよ?」
訳が分からない、といった顔でこちらを見つめる結に笑顔を返す。
「当然だ!」
胸を張って答える。
その翡翠が、その金色の髪が。
──私には、眩しいな。
込み上げた感情を心に押し込め、有明を見上げた。
「終わったか?決戦と行こうか。花霞は私のものだ」
「誰のものでもありません」
切って捨て、雹雷鬼を握りしめた。


