**********************
「おっせーなお前ら!てか文月呼びに行ったんじゃなかったか。心配するだろー」
座敷に入ったとたん聞こえた風雅の喚き。
「すみません、私の髪がまとまらなくて」
「お前は別にいい」
何せ姫さんだからな。
そう言ってにかっと笑う風雅。
──何でかな。なんか突き放された感があるというか。
不服そうな顔をしていたのか、風雅が露李の顔を見て吹き出した。
「おせえぞ」
またにかっと笑って頭に手がおかれる。
「問題はお前だ文月!女子の部屋で何してやがったー!」
「別に取り立てて言うほどの何かはしてなかったけどね」
「お前が"呼びに行く"と言ったのを確かに聞いたぞ俺はー!」
見ているだけで元気が出そうな風雅。
だがそれよりも。
目の前には見ているだけでよだれが出てしまいそうな朝食。
艶やかな白米、香しい味噌汁、焼き加減完璧な鮭。
沢庵はキラキラしているし、ほうれん草のおひたしは宝石さながらの輝き。
「素敵…!」
食卓をみた露李の呟きが聞こえていたのかどうか、水鳥が妖しげに笑う。
「姫様、食わせてやろうか?口移しで」
そんな言葉も露李の耳には入らない。
「黙れサル。それより結先輩は腹へってたんじゃなかったのか…?」
呆れたように言う朱雀。
「忘れてるみたいですね…」
確かに、と露李も風雅を眺める。
「それになんか…文月先輩の機嫌が」
「ああ、最高潮に悪いな」
「なぁ姫、ガキは放っといて色気のあることしようぜ。何からがいい?女の子は大抵、キスとかせがんでくるけど。それ以上でも特別に許しちゃうよ?」
こちん。
思考回路が止まる音が聞こえるとしたらこんな音だろう。
「黙れ十八禁。それが姫様に対する態度か」
鋭く睨む朱雀に水鳥はものともしない。
「おっせーなお前ら!てか文月呼びに行ったんじゃなかったか。心配するだろー」
座敷に入ったとたん聞こえた風雅の喚き。
「すみません、私の髪がまとまらなくて」
「お前は別にいい」
何せ姫さんだからな。
そう言ってにかっと笑う風雅。
──何でかな。なんか突き放された感があるというか。
不服そうな顔をしていたのか、風雅が露李の顔を見て吹き出した。
「おせえぞ」
またにかっと笑って頭に手がおかれる。
「問題はお前だ文月!女子の部屋で何してやがったー!」
「別に取り立てて言うほどの何かはしてなかったけどね」
「お前が"呼びに行く"と言ったのを確かに聞いたぞ俺はー!」
見ているだけで元気が出そうな風雅。
だがそれよりも。
目の前には見ているだけでよだれが出てしまいそうな朝食。
艶やかな白米、香しい味噌汁、焼き加減完璧な鮭。
沢庵はキラキラしているし、ほうれん草のおひたしは宝石さながらの輝き。
「素敵…!」
食卓をみた露李の呟きが聞こえていたのかどうか、水鳥が妖しげに笑う。
「姫様、食わせてやろうか?口移しで」
そんな言葉も露李の耳には入らない。
「黙れサル。それより結先輩は腹へってたんじゃなかったのか…?」
呆れたように言う朱雀。
「忘れてるみたいですね…」
確かに、と露李も風雅を眺める。
「それになんか…文月先輩の機嫌が」
「ああ、最高潮に悪いな」
「なぁ姫、ガキは放っといて色気のあることしようぜ。何からがいい?女の子は大抵、キスとかせがんでくるけど。それ以上でも特別に許しちゃうよ?」
こちん。
思考回路が止まる音が聞こえるとしたらこんな音だろう。
「黙れ十八禁。それが姫様に対する態度か」
鋭く睨む朱雀に水鳥はものともしない。


