「風雅!貴様今まで何をしていた!」
「はあ?何ってあのクソでかい水晶か何かに入ってただろうが」
呆れたように水無月に返してから、結は翡翠の瞳を怪訝そうに細めて星月夜たちを見た。
「こりゃまた、えれーズタボロだなこいつら。どうしたんだ?」
「斬った」
シンプルすぎる答えにまた苦笑だ。
水無月にとって終わった戦い、しかも怒りに任せた戦いは野菜を切るのと同じことのように思えるらしい。
結はアッサリだなーと言って笑ってからふっと顔を元に戻した。
泣き顔の露李を見下ろし、人差し指でそっと涙を拭う。
「ごめんな、泣かせたのは俺だな」
優しく見つめられ、またくしゃりと露李の顔が歪む。
次から次へと涙が頬を滑り落ち、声も出せずに泣いた。
「結先輩、結先輩っ…」
「ん、何だー?」
名前を呼ぶだけの露李の頭に優しく手を置き、ぽんぽんと撫でた。
それだけでまた涙が溢れる。
滲んだ視界で見上げた結も、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「私が、皆を…!」
「ん、お前のせいじゃねーよ。…俺のせいだ」
違う、と首を振る。
と、有明が何か口を開いた。
「どうしてだ、どうしてお前は何ともない!?」
信じられない、といった口調で叫ぶ。
むしろ悲鳴に近いその声に、結は顔をしかめる。
「俺はずっと洗脳されてきたからな。俺を支配できるのは未琴様だけだ」
俺だけが生き残った。
結の言いたいことが痛いほど聞こえてくる。


