【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

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掃除を終えて真新しい制服に着替え、姿見に映った自分を観賞。

これでいいのだろうか。

巫女として髪を長く伸ばし続けてきたので、神影でも異形として扱われてきた栗色の髪は、露李の腰までを覆っている。

普通の女子高生は、どうするのが普通なのだろう。

今まで巫女として育ってきて、巫女の里にある学校に通っていたために、いわゆる“普通”に親しみがない。


少しは憧れていたこともあったけれど、邪念だと思って払ってきた。

こんな所で必要になるなんて予想外だ。


うんうんと唸っていると、外から海松の声が聞こえた。


「露李さま、失礼します。朝食の準備が整いました」


「海松ちゃんどうしましょうっ」


ただならぬ様子に襖の外の海松は目を見張った。


「ご無事ですかっ!?」


ターン、という小気味良い音とは反対に物騒な表情の海松が入ってくるのを見て、今度は露李が目を丸くした。


「え、あの、無事です」


「悪党ですか?眼帯男ですか?」


部屋を鋭く見回す海松のは瞳は猛獣そのもの。


「出てくるのです塵芥にも及ばぬ底辺!」


「や、あの、海松ちゃん…ごめんなさい私、髪を結う方法を教えてもらえないかなと思っただけなんです」


海松の顔が茹でた蛸のように赤く染まった。