緊張感の中に、三人の息遣いだけが聞こえてくる。
不思議と怖くはなかった。
水無月が手を握ってくれているおかげか、左手が温かい。
「露李、和服での動きは慣れてるよな?」
「もちろん」
なら良い、と頷く疾風。
「もし何かあったら、水無月と二人で花霞の所へ行け。水無月なら安心だろ。俺たちも敵が片付き次第、行くと思うから」
「引き受けてやろう。役目、全うするが良い」
「偉そうな奴だな…」
疾風は苦笑いし、また集中する。
そこへ露李がピクリと反応し、呟いた。
「…何か来る」
「ほんとだ、誰?」
水無月の問いに難しい顔をした露李を見て、二人とも首を傾げる。
「知ってる、私この気、知ってるんだけど。何か、」
違う。
そう言い終わる前に、疾風と水無月が動いた。
もう襖の前にいるらしい。


