葵とまたひとしきり遊んだ頃、景真と疾風が連れだって入ってきた。
「あ、疾風お帰り」
「…ん。静、交代だ。お前まだ執務が残ってるだろう」
疾風のその言葉で、同じ座敷にいたのは護衛だったのだと今更理解する。
他の守護者たちが執務に行っていたのは知っていたが。
「ああ、そうでした。すみません」
「いや。頭領のお前が遅れても、大して怒られはしないと思うがな」
「そうでしょうか」
はは、と軽く笑い、静は露李とまだ鶴を折っている葵に手を差し伸べる。
「母様、疾風先輩たちも来たところですし、行きましょう」
「えー…」
落胆の声を上げたのは誰あろう、葵だ。
「葵さん、また折り紙教えてくださいね」
「姫様の為ならいくらでも!」
さっきまでのガッカリは嘘のように意気揚々と立ち上がる。
「それじゃあ疾風先輩、お願いします」
「了解、後でな静。葵さんも、また」
疾風が葵の方を向くが。
「…え」
何とはなしに成り行きを見守っていた露李は、思わず自分の着物の裾を握り締めた。
「さよなら」
先程まで温かかった葵の表情が忌々しげなそれに変わり、目は冷たい光を宿している。
静と同じ萌黄の瞳がやけに慣れないものに思えた。
そそくさと去っていく葵に絶句しつつも、その温度差に恐怖を覚えた。
──今のは。
何なのだろうか。
「あ、疾風お帰り」
「…ん。静、交代だ。お前まだ執務が残ってるだろう」
疾風のその言葉で、同じ座敷にいたのは護衛だったのだと今更理解する。
他の守護者たちが執務に行っていたのは知っていたが。
「ああ、そうでした。すみません」
「いや。頭領のお前が遅れても、大して怒られはしないと思うがな」
「そうでしょうか」
はは、と軽く笑い、静は露李とまだ鶴を折っている葵に手を差し伸べる。
「母様、疾風先輩たちも来たところですし、行きましょう」
「えー…」
落胆の声を上げたのは誰あろう、葵だ。
「葵さん、また折り紙教えてくださいね」
「姫様の為ならいくらでも!」
さっきまでのガッカリは嘘のように意気揚々と立ち上がる。
「それじゃあ疾風先輩、お願いします」
「了解、後でな静。葵さんも、また」
疾風が葵の方を向くが。
「…え」
何とはなしに成り行きを見守っていた露李は、思わず自分の着物の裾を握り締めた。
「さよなら」
先程まで温かかった葵の表情が忌々しげなそれに変わり、目は冷たい光を宿している。
静と同じ萌黄の瞳がやけに慣れないものに思えた。
そそくさと去っていく葵に絶句しつつも、その温度差に恐怖を覚えた。
──今のは。
何なのだろうか。


