【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

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いつものように騒ぎながら食べ、皆が満腹になった頃。


露李が着物を汚さずに食べ終えた達成感に浸っていると、廊下の方から女性の声が聞こえた。


「姫様、頭領。当主一同でございます」


詩衣だった。

当主、という単語に全員が反応した。

守護者たち、そして水無月が露李の顔を窺うように視線を彼女に集める。


「大丈夫だよ。──お入り下さい」


その言葉を合図に、襖が開く。


詩衣を先頭に、葵、忍、秀水、景真という順で入って来た。

今になって呑気に、ああ広い部屋はこの為か、と納得する。

少し離れた場所に当主たちが座ると同時に、六人が露李の両端に腰を落とした。


「風花姫様、先程はご無礼を誠に申し訳ございませんでした」


詩衣が畳の上に手をつき、後の四人がそれに続く。


秀水までもが頭を下げていることが、失礼かもしれないが意外だった。


「…いえ。私達にも非がありますし、母の死に動揺するのも致し方ありません。どうぞ気にしないで下さい」


「主、お人が良すぎでは」


式神モードの水無月が静かに口を開く。


「命の尊さを理解しているからこそ、あのような反応をなさったのです」


それに何か悪いことがありますか?と。

風花姫モードに慣れてきた露李は、一際凛として見える。


当主たちが恐れを抱いた瞬間。


「…ということでっ」


姫様その人が沈黙を破った。


「この件に関しては終わりにしましょう?これでは何事も進みませんわ」


にっこり笑ってそう告げる姫様に度肝を抜かれた。

今までこんな風花姫がいただろうか。


「…頭領」


景真が疾風に呼び掛ける。


「姫様が望まれるなら、良いんじゃないか」


その言葉に、当主たちの顔が困ったような笑みに変わったのだった。