【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

露李の姿をその視界にいれると、水無月はふわりと笑みをこぼした。

心配そうに自分を見つめる最愛。

─ああ、俺は。

堪らなく、君が愛しい──。


「何でそんな顔してるの、露李」


彼女の頬をすっと指先で撫で、身体を起こす。


「良かった」


そう言葉を紡いで胸にダイブして来る露李。

複雑だ。

兄と慕っているから出来ることだと分かっているからこそ、もどかしい。

その壁を取り払いたい、でも壊したくない。

二つの想いが交錯する。


「ほら。こんなとこずっといると風邪引くぞ!」


結の声で我に返った。


「ああ、そうだね。露李、行こうか」


「うん。─あれ、氷紀、姿が」


ふわりと銀の光を放ち、水無月の姿が変化していた。


銀の髪は露李と似た栗色へ、金の瞳は赤へ。


「これ俺の本当の姿だよ。忘れた?」


「えっと」


よく分からない。


「ま、再会の仕方があれだったしね」


ぽんぽんと頭を撫でられて嬉しくなる。


「オラ早く出るぞ!」


「まじ、寒い…」 


顔をしかめて唸る疾風に少し笑い、外へ出た。