その後ろの木の陰で、五人を睨む男がいた。 眼帯をしていない方の目が闇に光る。 金色のそれは恐ろしくも宝石のようだ。 「悠長なことだよね…」 美しき絆ってとこかなぁ、と品定めをする。 今ごろ一人で泣いているであろう少女のことを考えていた。 最後に見たのは十才か、そこらだったか。 故郷で出会った少女は、いつも一人で泣いていた。 一人で、ずっと。 彼女の泣き顔を笑顔に変えたのが自分でないことに苛立ちを感じながらも、男は観察を続けた。