「花姫様っ!ご無事ですか!」
後ろに四人の人影。
花姫はびくりと肩を揺らした。
「雨水、夕凪、白露、月草。こちらへ」
順に名前を呼ぶと、四人が走りよってきた。
「な…霧氷は?どこにいる?」
雨水と呼ばれた浅葱色の瞳をした男が目を見開く。
「彼はどうしたのですか、姫様」
紫色の瞳の男に花姫が答える。
「封印をしたのです。この花霞に」
「まさか、嘘だろ…霧氷。あいつ、本当に」
萌黄の瞳の男が膝をついた。
「姫」
翡翠の瞳の男が真っ青な姫の肩を抱いた。
「月草、様」
露李の視界がまた霞んだ。
ふわりと意識が遠退き、また真っ暗闇に包まれた。


