一斉に振り向くと案の定───
「水無月!!」
大木の枝に水無月達が座っていた。
五人がサッと露李を守るように立つ。
「あら、強気なのねこの子たち。あの金髪のオチビちゃんまでいるじゃない」
黒髪に真っ白な肌の、色気漂う女。
「宵菊さんじゃないですかー。どうしました?」
のほほんと文月が問いかける。
「うふ、そんなの決まってるじゃない。花霞と風花姫を取り返すためよ」
宵菊が露李を見据えた。
妖しい光に鳥肌が立つ。
「お前たち、まだ名乗っていないだろう。有明さまは非礼を嫌うぞ」
ハチマキの星月夜が宵菊と二人の男を睨んだ。
「あれ?星月夜も名乗ってなかった気がするけど」
水無月が星月夜を見上げた。
「戦闘を許されたのは始めてだろう」
──戦闘。
露李がピクリと反応した。
それを安心させるように疾風が露李の肩を抱く。
「ごめんなさいね?私は宵菊。こっちのストールが秋雨で、髪長いのが睡蓮よ」
黒い着物に薄い桜色のストールを巻いた男が綺麗に頭を下げた。
「へえ、こいつらが守護者か?何だ弱っちいなぁ」
毒々しい赤紫の瞳に紺色の髪を高い位置で一つに束ねた男がニヤリと笑う。
その視線の先には静。
「何を言う睡蓮。お前はこの前、風雅殿に髪を切られたと嘆いていたはずだ」
秋雨は興味無さげに指摘した。
「悪いね風花姫。君の身柄も花霞も、一歩も譲る気はないから」
水無月がニヤリと露李と目を合わせると、他の四人が構えた。
結が何かを読み取ったのか、振り向かずに囁いた。
「露李、逃げろ」
「嫌です。その命令は聞けません」
「ダメだ。早く逃げろ」
「私だって何か役に─」
一瞬にして水無月達が五人に迫ってくる。
露李を囲んで立ち、守護者たちが身構えた。


