「なら私はなぜ力が現れないのですか、私は…」 なおも食い下がる露李に、未琴がすうっと視線を凍てつかせる。 「それが、風花姫になることに何か関係がありますか?何であろうと貴女は風花姫。それ以外に必要なことがありますか」 「だって、いきなり…お母様、おかしいって思わないの?」 公式の場などでは欠かさない敬語が外れた。 少しでも巫女の里にいたときの母に戻ってくれたら。 そんな願いを込めて。 が、露李の願いはあっけなく散った。