「バカか…」


呆れたように雅樹が呟く。


「な!バカって何よ!」


「桜ちゃん、あのね、今の…関節キス…」


愛奈が教えてくれた。


「……へ?え?え⁉︎あ!」


気づいたときにはもう遅い。


顔に熱が溜まって赤くなっていくのがわかる。


「翔!ごめん!捨てていいから!」


むしろ私が捨ててあげようとゴミ箱を探す動作をすると、


「いや、別にいいけど」


と言ってクレープをヒョイっと取り上げられた。


すんってしてるけど、翔だって顔は赤いし、それを見た私もますます赤くなっていく。


やばい、目、合わせれない。


「ずるい〜。僕だって桜ちゃんと間接キスしたい!」


「は⁉︎亮太何言ってんの!」


ついに頭おかしくなっちゃったんじゃない⁉︎


「翔!僕にも一口!」


そう言って飛びついたけど、翔はスッと避けてしまった。


「誰がやるか!」


そこから翔と亮太の追いかけっこが始まった。