翔side

「あー、めんどくせーなー」


歩くことさえだるい。


やっぱ車で来ればよかった…。


俺は清流学園に通う高校2年。


通うと言っても、俺が学園に出ることはあまりない。


が、今日は珍しく登校してる。


「翔が行くって言ったんだよ?」


「だってよー、俊が行けっつーから…」


そう言って右隣にいた俊に目を向ける。


最初は行く気が無かった俺も、結局俊に説得されて渋々行くことにした。


なんやかんや俊の言う通りにしちまうんだよな。


つっても、やっぱめんどくせぇ。


「しかたないだろ?俺たちあんまり休みすぎると留年だぜ?」


そう言ってるが、『仕方ない』という顔の裏に『めんどくさい』と書いてあることくらいお見通しだ。


結局は俊も俺らと同類。


「んなもん、校長殴ってでも進級させてやればいーだろ?な?」


左隣の雅樹の肩に腕を乗せて問いかけた。


ま、俺たちとまともに喧嘩するやつはいねぇだろうけど。


喧嘩するくらいなら喜んで進級させるだろ。


「……ああ」


少し考えてからぶっきらぼうに答える雅樹。


「いやいや、それはさすがに…」


「おい!見ろよ翔、あれ…」


俊が亮太の声を遮った。