「お母さん。話がある」


私はまずお母さんに言うことにした。


(こんな人でも一応お母さんだしね)


「なに?」


「私…」







「そう。あなたがそれだけ考えてだした答えなら異論はないわ」


優しい目をしてそう言ってくれた。


「今から事務所にも行ってくる」


「わかったわ。いってらっしゃい」


「いってきます」


久しぶりの「いってらっしゃい」久しぶり「いってきます」。


私達はお互いの本音を言い合ったことで少し変わった気がする。


(私達…いい親子になれてるかな?)