「その間…私の決心がつくまでの間、モデルの仕事はやらない。天桜にも行かないし、翔とも…会わない」


これが私の精一杯のけじめ。


「でも!帰ってくるよな?絶対俺たちのところに戻って来るよな⁉︎」


「わからない」


(私だって帰りたい。今すぐにだって会いたい。でも…無理なんだよ)


「うんって言えよ!いつもみたいに…笑って…帰って来るって言ってくれよ!」


気のせいかもしれないけど、翔の声も涙声。


(翔…泣いてるのかな…?)


「ごめんなさい。さようなら」


「さく…」


私はこれ以上涙をこらえきれなくなって電話を切った。


プープー


「ぅ…うっ…翔、ごめん…ごめんね」


私は泣いた。


頬を流れる大粒の涙。


ずっと一緒だった世界で一番愛おしい人。


さようなら。