「お母さん聞いたわ。あなた…暴走族に入ってるんだって?」


「そうだけど?」


(天馬との戦いでばれたのか)


大きな争いだったからお母さんにも伝わってしまったみたい。


「それも、天桜とかいう世界No. 1の族の総長らしいじゃない」


「だからなんなの?」


(そこまでばれたのか…)


「どうしてそんなことするの!今までずっといい子で頑張ってきたじゃない!」


反抗的な態度を見せる私に、ついに叫び始めた。


目の前の奴の目には涙…。


(うわ…あんたの涙とかキモいんだけど)


「別にどうでもいいでしょ」


素っ気なく返し、自分の部屋に帰ろうとする。


でも、右腕を掴まれて止められた。


「そんなわけないでしょ!モデルの道はどうする気なの⁉︎暴走族なんて聞いたらモデル人生も終わりなのよ⁉︎人生台無しにする気⁉︎」


「…ぃな」


(ホントむかつく。何よ今更)


「え?」


「うるさいな!今までさんざん娘をほったらかしにしてきたのはいったいどこの誰⁉︎私の人生くらい私が決める!」


手を振り払って睨む。


「……………」


私はそのまま部屋を出て行った。