私は辺りを見渡した。


すると…


「翔⁉︎」


なんと翔は如月の目の前にいた。


「翔やめて!危険だよ!私が相手をするから!」


遠くにいる翔に聞こえるよう、大声で叫んだ。


「大丈夫だ。俺は桜美の彼氏、だろ?」


私の声に振り向いて、私を安心させるかのように笑ってみせる翔。


「…そうだけど!それとこれは別だよ!下がって!お願い…怪我した姿なんて見たくないの…」


「大丈夫だ!俺は勝つ。必ずお前を守ってみせる。信じろ!」


(私だって信じたい。でも…レベルが違うの…。翔が傷つくところなんて見たくない!)


私に構わず如月へとどんどん近づいていく翔。


「やめて!」


「あの〜そこら辺にしてもらえるかな?そろそろ始めるよ?」


そう言って拳を振り上げた如月。


翔は受け止めるつもりだ。


(いや!待って!翔だけは…翔にだけは何もしないで!)