「えーっとちょっとジャンプ力が高い高校2年生?」


苦し紛れに答える。


苦し紛れって言うか、全然苦しすぎて紛れてない。


「ちょっとじゃねぇだろ。あの門は俺でも無理だ」


だーよねー!


あんなことできるの私くらいだと思うもん。


「……」


心の中では楽しく共感してるけど、表の私は話せる言い訳がない。


つまり、ちょーピンチ。


「言いずらい?」


ずっと答えない私を心配したのか、俊が声をかけてくれた。


俊は優しいなぁ…。


「…うん」


ここぞとばかりに、か弱い子猫のように頷いた。


「無理には聞かないから気が向いたら話してね!」


ホントに俊は優しいな〜。


「うん」


そんな日が来るとは思えないけどとりあえずここは『うん』と言っておく。