「せんせー僕たち遅刻?」


そう言って堂々と前のドアから入って来た人たち。


フレンドリーに先生へ声をかけたのはさっきの亮太。


私も含めて全員が彼らに目を向ける。


4人が姿を表した途端、クラスの女子が騒ぎ出した。


なに?あの人達そんなに人気なわけ?


「おっ!学校にくるなんて珍しいな。でも遅刻だ!」


ニッコリと微笑んで厳しい言葉を投げる先生。


学校に来るのが珍しいって…じゃあ私が知ってるわけないじゃん!


「えー、ちょっとくらい大目に見てよー」


亮太がかわいくお願い。


「うっ…ダメなものはダメだ!」


それに怯む先生。


あのかわいさ、あんな風にも使ってるんだ。


自分の武器を分かって上手く活用していることにちょっと感心。


遅刻には感心しないけど。


「えーけち〜。翔だってそれがいいよね?」


「亮太、諦めろ」


即刻翔が亮太を制す。


「ちぇっ」


翔に言われたんじゃあ引き下がるしかない亮太。


そりゃそうだよね。


総長だもんね。