「100m走に出る選手は集まってください」


放送部のアナウンスが流れた。


「桜、呼んでるぞ」


「うん!行ってくる!亮太行こ!」


「うん!」


私と亮太が入場門へ行こうとすると、翔が亮太の手を引いた。


反射的に私も翔の方を振り向く。


「亮太。桜に変なことするなよ」


翔の目が少し怖い。


「わかってるって!ホントにラブラブなんだから〜」


少し顔が赤くなるのが自分でもわかる。


「うるせー。早く行け」


心なしか、翔の顔も少し赤い。


「はーい」


私と亮太は入場門に向かった。