「え⁉︎翔⁉︎」


いや、驚きたいのはこっちなんだが…


「嫌な夢でも見たのか?」


「え、あ…うん。まぁね。って!なんで私ここにいるの⁉︎」


自分でもここにいることを理解していないみたいだ。


「知らねぇよ。起きたらいたんだし」


「あ…私昨日あのまま寝ちゃったんだ。ごめん、すぐ出て行くね!」


そう言って慌てて出て行こうとしたのを腕を握って引き止める。


「…なぁ、お前、さっき何の夢みたんだ?」


その言葉を聞いた途端、桜の動きが止まった。


「…別に。昔のことだから」


そう言って桜は腕を振り払って部屋を出て行ってしまった。