「おかえりなさいませ。お嬢様」


ドアを開けた途端、周りにいたメイドさんや執事さん達が声をそろえて出迎える。


「ただいま」


愛奈は慣れてるのか、当然のようにレッドカーペットの上を歩いていく。


それについていく私。


「お邪魔しまーす」


相変わらずすごいなぁ〜。


部屋中が光ってて頭がおかしくなりそう。


私場違いすぎ。


「お母様は?」


出迎えた列の最後尾にいた、1番偉そうなメイドさんに聞いた。


多分この人がメイド長なんだろう。


「ただいま奥様のお部屋にて、読書中でございます」


「ありがとう」


愛奈はそう言って微笑むと、また歩き出した。


愛奈切り替えすごいなぁ〜。


お嬢様である愛奈は家ではこんなじゃべり方になる。


そういう規則らしい。


学園では堅苦しいのは嫌らしく、言葉使いを切り替えている。


ドジなくせに器用だよね。