その瞬間、亮太が抱きついてきた。


「桜ちゃんのおかげで元気でたから大丈夫!」


「そう?なら良かった」


…なんかこうしてると、小さい子供みたいで可愛い。


駿平と夏希にちょっと似てるかもっ。


「おい!亮太!桜から離れろ!」


少し怒り気味の翔が言った。


「いいでしょ!今は僕の桜ちゃんなの!」


今日の亮太はなかなか粘る。


「…てめぇ」


「翔、私はちょっとくらいこのままでもいいよ?」


なんとなく、亮太を応援したくなった。


かわいいし…じゃなくて、さっきからなんだかかわいそうだし。


「俺がいやなんだよ…」


「え?なんて?」


翔がぼそっと言うから、よく聞こえなかった。


「もういい」


そう言って1人でスタスタと行ってしまった。