「玲音、昨日からりりちゃんのおうちでお世話になってるんでしょう?」


「そうなの!うちのお母さんがムリ言って本当にごめんなさいっ」


手を合わせて謝ると、おばさんがゆっくりと頭を横に振った。


「むしろ、ありがたいのよ。

あの子、自分のこと、なんにもできないでしょう?
食事ひとつまともに作れないんだから。

でも、りりちゃんの負担が増えてしまってごめんなさいね?」


視線を落としたおばさんに、今度は私が頭をぶんぶんと横に振る。


「玲音と一緒にいるのが当たり前になっちゃってるから、正直今までとあんまりかわらないの。

それによく考えると、私、一人暮らしはちょっとムリだったかも」


玲音には口が裂けても言えないけど、

怖がりの私が一晩中ひとりで過ごすなんて絶対にムリだった。



「りりちゃんに迷惑かけないといいんだけど」


おばさんの言葉に思わず視線を泳がせる。


うーん……

いきなりキスされて困ってます…なんて

さすがにおばさんには言えない…