幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)

放課後、部室棟に向かって歩いている玲音がくるりと振り向いた。



「りりちゃん、今日はバイト?」


「今日はこのまま病院にいく」


「そっか…いつもありがとな」



玲音の言葉に思わず動きを止めた。



「りりちゃん、どうしたの?」



「なんでもないっ。おばさんになにか伝言があるなら伝えておくよ?」


「じゃ、週末行くからって言っといて」


少し大人びた表情で小さく笑うと、玲音は部室へ向かって歩きだした。


そんな玲音の後ろ姿をぼんやりと見つめながらついて行く。


おばさんが集中治療室に入ったあの日以来玲音はすごく変わった。


よく病院に行くようになったし、おばさんの話をするようになった。



すると部室が見えてきたところで玲音がぴたりと足を止めた。