幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)

授業中、斜め前の席に座って真剣にノートをとっている玲音をぼんやりと見つめる。


琥珀色の柔らかい髪も黒く潤んだ大きな瞳も小さいころと変わらない。



それなのに気がつけば、玲音の方が私より背が高くなって、

私より足が早くなって、

私より勉強ができるようになっていた。



いつから玲音に助けてもらうことの方が多くなったんだろう……


休み時間になると、玲音を一目見ようと下級生の女の子たちがやってきた。


もう涙を浮かべて私のことを追いかけ回していた小さい頃の可愛かった玲音じゃないんだよなぁ……





ぼんやりとそんなことを考えていたら隣のクラスの遠山くんに呼び出された。


ん??


廊下で真っ赤な顔をしている遠山くんに目をパチクリさせる。



遠山くんとは、去年同じクラスだったけれどあまり話したことはなかった。