幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)

荷物を抱えてお父さんの書斎に入っていく玲音の背中をゆっくりと目で追う。


「玲音の部屋がうちにあるって、やっぱりちょっと変な感じだね…」


思わず呟くと、玲音が満面の笑みで振り返った。


「それじゃ、いつもみたいにりりちゃんの部屋で一緒に寝てあげようか?」


そんな玲音に、間髪入れずに両手でバツをつくる。


「けっこうですっ!」



「でも、一晩中ふたりきりなんだから、なにしてもいいんだよね?」



そう言って顔を寄せてきた玲音に笑顔で応える。



「それなら、もう一度かかと落としにトライしてもいい?

さっきのかかと落とし、綺麗に決まらなかかったからちょっと悔しくて」


それを訊くと玲音が凍りついた。


「……お、おやすみ、りりちゃんっ。

今日は疲れちゃったから、かかと落としはまた今度ね?」


逃げるように玲音が部屋にかけ込んでしまったので、

私も自分の部屋でごろんと横になった。