逃げるように浴室から飛び出すと、

お風呂からあがった玲音がTシャツを着ながら近づいてきた。



「そこまで驚かれるとさすがに傷つく…」


「な、な、なんで家にいるの?」


「野球部が大会で勝ち進んでて

今週いっぱいグラウンドの使用が野球部優先になっちゃってさ。

それでサッカー部は今日はおやすみ」



「だ、だからって、どうしてこんな時間にお風呂に入ってるの?」


「よくりりちゃん、言ってるじゃん。

昼間のお風呂めちゃ気持いいって。だからマネしてみた♪

でも、一緒に入りたいならいってくれれば良かったのに♡」



「一緒に入りたいはずが、な・い・よ・ね?


本気で心臓止まるかと思ったんだから!」




「俺の美しい裸体を見て興奮しちゃった?」




ぐっ……



「ふざけんなっ!!!」




怒りに任せて平手で玲音の頬を打つ寸前に

玲音に手首をつかまれた。




「ほらほら、りりちゃん、落ち着いて?」