「玲音?!どうしたの?!」


玲音はあからさまに尖った視線を圭介さんに向けている。


そんな玲音をさらりとかわしながら圭介さんは笑顔を見せた。


「りりちゃんの知り合い?

じゃ、ここでいいかな?」


玲音をチラリと見て、小さくふくみ笑いをして帰って行った圭介さんを

玲音がまだ全力で睨みつけている。



「玲音、今日は早かったね?」



「りり花、あいつ誰?

前にも送ってもらってたよな?」



私の質問には答えないまま、玲音は責めるように私に訊いてきた。



「園長先生の息子さんで圭介さんって言うの。

大学生で私と同じ補助員としてアルバイトしてる。


ちょっとチャラそうに見えるけど、仕事はテキパキしてるし、

めっちゃこどもたちに人気があるんだよっ。


すごく信頼できる人だから心配しなくても大丈夫だよ?」



って、なんでこんなに必死になって圭介さんのフォローしてるんだか…



「あのチャラチャラした奴のどこが信頼できるんだよ?

つうか、むしろあいつに送られる方があぶねぇだろ?」



「そんなに悪い人じゃないよ?」



「あんな奴に送ってもらわなきゃならないバイトならすぐにやめなさい」



腰に手をあててそう宣言した玲音をキョトンと見上げる。



……お父さんですか?