「圭介さんが園長先生になったら、
すごく楽しい保育園になりそうですね」



思わずそう零すと圭介さんが目を丸くした。



「どうしたの、いきなり?」



「圭介さん、子供たちに大人気だから」



思ったままを伝えると、圭介さんが頬を緩める。



「へー。お世辞でも嬉しいね♪

俺もさ、最近気づいたんだけど、意外と子ども好きなんだよね。

この前さ、りりちゃんに"自分の好きなことをすればいい"って言われたでしょ?

よくよく考えたら、俺、保育園で仕事すんの、けっこう好きなんだってことに気づいちゃったんだよね」


ポケットに手を突っ込んですごく嬉しそうに笑った圭介さんに、大きく頷く。



「俺さ、自分の子どもも5人くらい欲しいんだ♪」



「5人かぁ…お嫁さんはちょっと大変そうですね」



「いいの、俺が面倒みるから。
だから生んでくれるだけでいいっ」



「"生んでくれるだけでいい"って、
誰がなにを生むんだよっ?!」



背後から突然響いた低い声にビクッとして振り返ると、


恐ろしいほどの殺気を漂わせながら玲音が立っていた。