思わず俯く


膝の上の手が少しだけ


震えたのがわかった


「よかったら 携番教えてよ!


LINEでもいいから」


「・・・私 急いでるので」


そう言って ベンチから


立って公園を出ようとした


ガシ


突然 手首を掴まれる


「そう言わないでさ


携番ぐらいいいじゃん!」


どうしよう・・・


怖いよ


あ・・・やばい


泣きそう


堪えなきゃ・・・


「何やってんだよ?」


ドキン


声のする方を見ると


陽也君が立っていた


相手を睨みながら


こっちにやって来た


「なんだよ? お前・・・」


「聞こえなかったのか?


何やってんだよ?


てか・・・こいつ


俺の連れなんだけど」


そう言いながら 陽也君は


私の手首を掴んでいる


男子の手首を掴んでいた