・・・帰り道


私は 迎えに来た陽也君と


帰っていた


思わず俯いてしまう


「那未ちゃんの隣に居る奴


彼氏か?」


「違うだろ・・・


てか 那未ちゃんの彼氏候補


俺だし?」


なんて声が聞こえた


ドクン ドクン・・・


鞄の紐を持つ手が


少しだけ震えていた


慣れれば平気・・・


でも 怖い


ぎゅ


陽也君が私の手を握った


「・・・陽也君」


「あんなの・・・気にすんな


言わせておけばいいし


大丈夫だから」


ドキン


''大丈夫だから''


その言葉が 私の心に


染み込んだ気がした


「・・・うん」


大丈夫・・・陽也君が


一緒に居れば


何も・・・怖くない


ぎゅ


思わず手を握り返した